『退会者の傾向からみた、会員定着について』
(株)プロフィットジャパン
菊賀信雅

退会者の傾向から見た会員定着については、本誌(61,62,63,83,号)で、何度か記載させていただいています。その頃から、5年程度経っているため、健康志向の高まりや行政の積極的な取り組みによって健康寿命延伸に寄与すべく民間フィットネスクラブがより重要性が増しているため、これらのことを再度検討してみました。
複数のクラブでデータの蓄積をしておりますが、今回は一事例として、コンビニフィットネスUクラブで、平成27,28,29年の退会者の入会からの期間について調査、集計、分析を行いました。
コンビニフィットネスUクラブの平成27年の退会者は113人、平成28年は67人、29年88人でした。
また、各年の退会者の在籍期間は下記のとおりです。

平成27年当時の平均会員数から算出した退会率は42.0%/年(月間3.50%)
平成28年当時の平均会員数から算出した退会率は26.5%/年(月間2.21%)
平成29年当時の平均会員数から算出した退会率は24.7%/年(月間2.06%)
入会から退会までの在籍月数別人数の分布グラフは図1~3の通りです。

図1~3をみると、退会者は入会してからいずれの年も、入会してから6か月が、最も退会者が多いということです。このことは、本誌の61~63、83号で既報のデータとも同様の結果です。また、先行研究でも
『身体活動や運動を始めたにも関わらず、3~6か月後には、約半分の人が、辞める。』〔Dishman(1988)〕〔(Berger, Pargman & Weinberg, 2002)や『民間フィットネスクラブにおいて新たにフィットネスクラブに入会したにもかかわらず、約4割の人が、1年間以内に退会(早期退会)する』〔一社.日本フィットネス産業協会 2008〕と同じような報告がされています。
また、年代層別に、一年以内と一年以上在籍した割合を調べたところ、20歳台、40歳台、50歳台で、一年以内の退会者の割合が50%以上と多く、30歳台、60歳台、70歳台は、40%台という結果でした。 (表1)

 

また、平成27年は、退会率が月間3.50%と高かったため、28年度以降で、PPC〔パーソナルプラン・コーチング〕を最も力を入れて行いました。
PPCは、お客様の来館の目的を聞きたし(傾聴)をして、その目的に近づく最も効果的なプログラムを提供し、また利用頻度も、コーチングしました。〔コーチングについては前号参照〕利用頻度は、希望利用頻度と実際に利用される頻度が大きく異なるのが常なので、実際に即して、かなり強めのコーチングを3か月から最大12か月行いました。

そのコーチングによる効果も含め、平成28年度は、一年以内の退会が、40人、1年以上の退会が27人、月間退会率2.21%となりました。平成29年度は、一年以内の退会が、47人、1年以上の退会が41人、月間退会率2.06%となりました。会員数は、平成27年から29年に、140人ほど増加しました。
コンビニフィットネスは、プールやスタジオなどの大型施設ではないので、入会者は多くはありません。
だからこそ、入会いただいた会員様を大切にして、退会を抑えることで、会員数を増やすことは十分可能です。

また、PJフィットネス研究所では、定期的に上記のようなデータの収集・分析、周知又は提供を行っております。健康寿命延伸に向けてのサポートをすべく、積極的に発信してまいります。