『平成25年国民健康・栄養調査では、身体不活動を、初めて調査』
(株)プロフィットジャパン  菊賀信雅

2014年12月9日に、厚生労働省より、平成25年度国民健康・栄養調査の取りまとめが、発表されました。
そのなかで、身体活動・運動に関する状況について、報告しています。
従来からの運動習慣者の状況や歩数の状況に加えて、今回、いくつかの項目が、新たに調査・報告されています。
ひとつは、生活活動実践度の状況(18年度にも調査している)、もう一つは、身体不活動の状況です。
生活活動実践度の状況は、本誌75号で紹介させていただいた、運動の行動変容ステージ〔トランスセオレティカル・モデル(TTM)〕をもとに、無関心期(現在運動していない。また、これから先もするつもりはない)、関心期(現在運動していない。しかし、近い将来(6か月以内)に始めようと思っている)、準備期(現在運動している。しかし、定期的ではない)、実行期(現在運動している。しかし、始めてから6か月以内である)、維持期(現在定期的に運動している。また、6か月以上継続している)という運動の継続性を表したものですが、
日常生活で身体を動かすことを「実行していて十分に習慣化している(維持期)」者の割合は、男女とも35%を超えており、平成18年より増加し、年齢階級別にみると、男性では70歳代、女性では60歳代が最も高い一方、「実行していない、実行しようとも考えていない(無関心期)」者の割合は、男性では、30歳代、女性では20歳代が最も高い状況でした。(図1)
図1 〔生活活動の実践度(20歳以上、性年齢階級別)〕

○身体不活動
今回、新たに、加わった調査で、本誌74号で、紹介させていただいた、このところ特に注目されている調査です。
座ったり寝転がったりして過ごす時間〔座位行動(Sedentary behavior)〕が、1日に10 時間以上ある者の割合は、平日で男性25.8%、女性20.3%、休日で男性27.6%、女性21.4%であり、年齢階級別にみると、その割合は、男性では平日は50 歳代、休日は30 歳代が、女性では平日、休日ともに20 歳代が最も高いことがわかります。さらに、ほぼどの年代でも半分以上が、覚醒時間うち、6時間以上は、座位行動(Sedentary behavior)であり、この時間が長く続くと、脂肪の蓄積が多くなることや、死亡率が上がり、冠動脈疾患や糖尿病、メタボリックシンドローム、がんなどの健康阻害リスクも高まるという報告が、数多くされています。

図2 〔身体不活動、座ったり寝転がったりして過ごす時間(20歳以上、性年齢階級別)〕

図3 〔歩数の平均値の年次推移(20歳以上、性年齢階級別)〕

○歩数の状況は、男性7,099歩で、男性は10年連続減少傾向、女性6,249歩であり、女性は10年間で変化は見られなかった。〔図3〕
歩数については、「健康日本21(第2次)」の目標値: 20~64 歳 男性9,000 歩 女性8,500 歩
65 歳以上 男性7,000 歩 女性6,000 歩であり、この状況を改善するために、各自治体では、独自にインセンティブ(ご褒美)を準備して、月当たりの歩数をポイント化して、ある一定以上のポイントを集めた方に、ご褒美〔横浜市の場合3,000円の商品券(抽選)〕をもらえるなどして、歩数をのばす工夫をしています。

○運動習慣者〔1回30分の運動を週に2回以上実施し、1年以上継続している者〕の状況では、運動習慣のある者の割合は、男性33.8%、女性27.2%であり、前年と比べて男女とも少し低くなりました。年齢階級別にみると、男女とも、30歳代が最も低く、男性で20~30歳代、女性で20~40歳代が、2割に届いていません。一方このところの健康ブームもあってか、シニア世代の60歳以上では、若年層の約2倍の人が運動習慣があり、男性の70歳代では、二人に1人が、継続的な運動習慣があります。男女ともこの部分をもっと増やしていければ、高齢者の医療費や介護にかかわる費用を減らす効果が出てくると思います。
図5〔運動習慣のある者の割合(20歳以上、性・年齢階級別、全国補正値)〕

上記の状況を改善するために、厚生労働省では、健康づくりの為の身体活動指針として、1日10分間余分に身体活動を増やすことを目安として、新しいアクティブガイドが作成し配布しています。また、各施設でカスタマイズできるようにデータでも、提供しています。フィットネス施設では、これを利用して且つ、お客様がどうやったら、身体活動を増やせるのかをいろいろ考えて、サービスやプログラムを提供しなければなりません。
平成25年国民健康・栄養調査報告は、厚生労働省のホームページ
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000067890.html
アクティブガイドについては、国立健康栄養研究所のホームページ www.nih.go.jp/eiken/