フィットネスクラブ会員ですぐに退会する人と長続きする人にはどのような特徴や共通点があるのでしょうか?それが分かっていれば、予め長続きしそうな人を集めたり、退会しそうな人に対してのフォローなどが出来るようになります。
フィットネス業界誌の「フィットネスビジネス」にて、弊社代表の菊賀が新しい記事を書きました。内容は、弊社プロフィットジャパンが運営する小型フィットネスクラブフランチャイズの「コンビニフィットネス®」での会員の生存分析です。

「?」と思われた方にもう少し簡単に言うと、「フィットネスクラブをすぐやめる人と長続きする人はどんな特徴と共通点がある?」という研究データについての記事です。

例えば、
男性と女性ではどちらが長続きするのか?
どのくらいで退会する人が多いのか?
どの世代が一番長続きするのか?
ということを実際の会員さんの在籍期間などで分析したものです。

生存分析とは、医療の世界で疾病による生存率や死亡までの時間、疫病の回復や再発などを、分析するための方法で臨床試験などで使われます。
その分析をフィットネスクラブの継続率、退会率という観点で弊社のコンビニフィットネス®の退会者分析をした、正確な研究データを今回は特別公開しています。
今回は特に実際のコンビニフィットネスフランチャイズ店でのデータですので、これから小型フィットネスを運営される方には特に参考になることが多いかと思います。
特に年代によって、差があることが良く分かると思いますので、最後までお読みください。

クラブデータから退会分析を行い、退会者を予測する
※「フィットネスビジネス」掲載記事本文より引用

本誌通巻第97号で使用させていただいたデータを元に、解析ソフトを使用して、生存分析※を行って会員の特徴を明らかにしました。
コンビニフィットネスAの2015 ~’17年に入会したお客さまを3年間追跡調査した結果によると、入会したお客さまは378名で、内訳はP161表1の通りとなりました。

年代と性別のクロス表

その入会者を3年間追跡観察し、途中で辞めたお客さまを退会者、会員継続したお客さまを在籍者として、入会
したお客さまが何ヶ月目でやめるかを、性・年齢別にして分析しました。
表2は、男女別の在籍者と退会者のクロス集計表です。3年間の在籍者は、男性で59%(退会者41%)、女性で63.5%(退会者36.5%)でしたが、統計的な差はありませんでした(P=0.30)。

性別と退会の有無のクロス表
また、年代別の退会者の有無についてのクロス集計表では、30代の在籍率が最も低く、年代が上がるほど在籍
率が上がる傾向が見られました(表3、P=0.066)。

年代と退会の有無のクロス表

グラフ1は、生存分析による累積生存曲線です。横軸が在籍月数、縦軸が生存率(会員の在籍率〔数字が大きい
ほど在籍率が高く、小さくなるにつれて退会者が増える〕)です。

共変量の平均値における生存関数

グラフ2は、男女別の生存率です。下側のグラフが男性、上が女性です。
これを見ると、このクラブは、男女によって生存率がほぼ変わらないことがわかります。

パターン1-2の生存関数
グラフ3は、女性の年齢別生存率です。グラフの下から順に、20代、30代、40代、50代、60代、70歳以上となっています。

パターン1-6の生存関数

年代が上がるほど生存率が高く、2年生存率は、60・70代で約60%、20・30代で40%以下でした。20代を1とすると、50代で0.48倍、70代で0.43倍の割合で退会となっています。
PJフィットネス研究所では、いろいろなクラブのデータを集積し、またクラブごとに解析することでそのクラブの特徴を把握し、クラブにフィードバックしています。退会者を予測することもその1つです。退会しやすい因子をもっているお客さまにあらかじめアプローチし、退会を未然に防ぐことで、会員数を伸ばすことが可能になります。

現在、12年間に入会した会員、約3万名(20万人年※)のデータを解析しています。ビッグデータに近く、どのようなお客さまが辞めやすいかや、男性、女性、年代ごとの辞めやすさ、また入会時にアンケート(健康調査票など)を取得し、個人ごとの詳細なデータを分析することで、さらに精度の高い退会者予測が可能になるのです。

※人年…コホート研究のようにある期間観察した結果から影響を調べる場合、 その事象が起こった人数とともに観察された期間が重要な意味をもつ。そこで、「観察した人数×観察期間」を基本としてその影響を考えていく。
※生存分析とは…イベント(今回のフィットネスクラブの会員の場合は退会)が起こるまでの時間とイベントの関係に焦点を当てる分析。通常は医学的な事柄のイベントが起こるまでの時間、死亡までの時間、疾病の再発や回復までの時間などがある。

著者:菊賀信雅
株式会社プロフィットジャパン代表取締役、茨城大学教育学部講師、公益財団法人日本健康スポーツ連盟研究員、東京医科大学公衆衛生学分野。健康運動指導士、ヘルスケアトレーナ ー、スポーツプログラマー
1983年筑波大学体育専門学群卒業、セントラルスポーツ株式会社入社。フィットネス事業の創設スタッフとして100 クラブ以上の開設に携わり、主に指導プログラムの開発・研究を行う。’92 年株式会社プロフィットジャパンを設立。コンビニフィットネスの事業を推進する一方、人材育成と健康づくりのシステム開発・カウンセリングなどにも携わり、これまでに全200クラブ以上の開業、運営を成功させる。「エビデンスのあるフィットネス運営」をモットーにPJ フィットネス研究所を設立。
。主な著書に『フィットネスクラブ利用経験と余暇活動に求めるベネフィットに対する意識の関連:日本人成人を対象にした横断研究〔原著論文〕(日本スポーツ産業学研究2017)』、『最新フィットネスクラブの開発・運営実務資料集2016』(総合ユニコム刊)、『やわらかい体はふとらない< 私でもできちゃうコンビニフィットネスブック>』(現代書林刊)がある。